Short Story
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2019/09/05 09:13
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フィガロ城でエドガーと初めて過ごした夜のことまで思い出したところで、薄れゆくティナの意識は少しだけ明瞭さを取り戻した。本当にしあわせな夜だった。今思い出しても胸が温かくなる。 自分が何者かもわから
2019/09/04 17:56
16
ティナを抱くのはこれが初めてではない。こうして腰を沈めるときの気持ちよさは記憶にあるものと寸分違わなかった。そこで初めて気がついた。男女の情愛も、行為の意味も理解していなかったティナだったが、エドガ
2019/09/01 22:35
15
支えを失った布はティナの秘所を申し訳程度に覆っているだけのものに成り果てた。エドガーがそれを丁寧に除けてやると、潤みをたたえたティナの割れ目が月明かりの下に照らし出される。それに対して感想を述べるの
2019/08/31 16:54
14
ベッドにしどけなく身を委ね、上質な布で織られたガウンのような夜着を纏ったエドガーは窓からの月明かりに照らされた天井を眺めていた。ティナを寝室に招き入れてすぐに、エドガーは彼女に湯殿を使うように勧めた
2019/08/24 11:07
13
ティナに自分のマントをかけてやり、手を取ってエスコートしながら城の屋上に続く階段を降りてきた王を見た神官長は、ひと目で全てを察したような顔をすると、「おやすみになりますか?」と声をかけてきた。屋上に
2019/08/23 12:08
12
フィガロ城の屋上で、月明かりに照らされた砂漠を何となしに眺めるのが好きだった。ここでフィガロの王として生きることを選んだ少年の頃を思い出す。自分の意思で選んだ道とはいえ、王としての重責に押しつぶされ
2019/07/31 17:31
11
目の前に浮かび上がる朱鷺色のシルエットに、エドガーは我が目を疑った。忘れもしない、あの日ナルシェの断崖で見た光景。衝撃波に吹き飛ばされ、崖から転落しそうになりながらも目に焼き付いたその姿。あの瞬間、
2019/07/08 12:29
10
「クッ……、やはり一人では厳しいな」 フンババの猛攻を辛うじて躱して、物陰に一時身を隠すことに成功したエドガーは息を整えながら傷に回復魔法を施した。元々戦闘をするつもりで来ていなかったせいもあって
2019/07/06 10:32
9
カタリーナに手を引かれてやってきた村のはずれで、ティナはどうすればいいのだろうと考えていた。ここでカタリーナと過ごすようになってから、既に丸一日が経とうとしている。みんな心配しているだろう。 「デ
2019/07/06 10:24
8
村に足を踏み入れて、エドガーはその惨状に思わず目を疑った。ケフカの裁きの光により、大人が居なくなったということは聞いていたものの、大人が居ないという現実はエドガーの想像以上に重いものであるらしい。世
2019/07/05 12:45
7
風にはためくシーツを取り込みながら、ティナは空を見上げた。血のように赤い空は今日も変わることはなく、ティナの心を騒がせた。 セリスとマッシュが最初にモブリズの村を訪ねてきてから、何ヶ月経ったのだろ
2019/07/01 15:54
6
「入るぞ、エドガー」 ノックもそこそこに部屋の扉を開け放たれて、エドガーはため息をついた。眺めていた書類を封筒の中にしまい込む。 「どうして私の周りには、ノックもろくにできないような人間ばかり集
2019/06/29 19:27
5
フィガロ城からほど近い平地にファルコン号が着陸する。世界が引き裂かれた日から長らく砂の中に沈んでいた城は、城主達の手により救出され、彼らの拠点としてその役割を果たしている。フィガロが動き出し、飛空艇
2019/06/28 12:18
4
雨の音が聞こえる。 机に置かれている新聞に目を通した。新聞に書かれていることは、毎日大差ないことだ。大差ない内容であれ、新聞が発行されているということがまず奇跡というべきだろうか。 自らの治世よ
2019/06/26 12:12
3
暗い部屋で、雨の音を聞くのは怖かった。魔導アーマーに乗った自分が、目の前の帝国兵を次々と倒していく夢をいつも見た。夢の中ではいつも雨が降っていて、それなのに自分の手のひらから放たれた炎は消えることな
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