「帰ってきてね」
その言葉が支えだった
国を追われ、かつての戦友を頼るべく旅に出て、出会った仲間が
死合に臨む俺にかけてくれた言葉
血を見て呑まれそうになった俺が戻ってこれたのはあのとき食べたアズキガユに重ねた友の姿と、そして彼女の心配そうな声
いつもなら「ヒカリくんならひとひねりだべ!」などと明るく振る舞っていただろうに、無理に作った笑顔と消え入りそうな彼女の声が俺に「必ず帰らねば」と決意させた
「━━ヒカリくん……!」
戻った俺を迎えてくれた彼女の涙に濡れた笑顔がとても綺麗で、よかった、と泣いてくれているのが堪らなく幸せに思えて、ただ胸のうちから言葉が溢れ出した
「アグネア……俺はそなたが好きだ。だから、必ず戻ると誓った」
#ヒカアグ