翡翠SINGSの方でちょっと呟いていたのを鯖落ち前にサルベージしてきてたので、加筆修正して再掲…したのですがえらい文量になってしまった。文章にまとまりはないです(いつものこと)。
個人的には、闇ヒカリくんはヒカリくんのいち側面であるという解釈はちょっと違うと思っていて、たとえが古くて申し訳ないんですけど、遊戯王の闇バクラや闇マリクに近いものなんじゃないかと思っています。本質が同じ二重人格ではなくて、憑依してる別モノという感じ?
闇ヒカリはダーケストの血がもたらす異物に近い扱いだと思っていて、闇ヒカリ戦でヒカリくんが受け入れたのは闇がもたらす”力”に対する自身の恐怖心だと思っています。ゆえにずっと目を背けて対峙を避けていたわけですが、5章でやっとこさ正面から異物と対峙して叩き伏せるということができたのであって、それができるようになったのは旅を通じてトラベラーズとの交流あってこそ(オズバルドが究極魔法に辿り着いたのと同じ原理)なのかなあと。ヒカリくんは彼と同化したとか受け入れたわけではないし、ヒカリくんの負の側面とはまた違うものなんだと思うけど言語化も作品化も難しい…。
じゃあヒカリくんには負の側面はないのかと言われれば決してそんなことはなくて、彼とて好いた女に劣情は抱くし、不愉快な感情だって破壊衝動だってきっと全くないと言えば嘘になる。でもそれを闇ヒカリに転嫁はしてなくて、自身のそれはあくまで自身のいち側面として見てるだろうなと(受け入れてるかは別だけど)。闇ヒカリがもたらすものではなくて、自分自身の感情ということですね。
まあしかし、これもよくわからんです。覚醒時に「やっと外に出てこれた」「俺は”ヒカリ”だよ」って言ってたところを見るにつけ、完全に別物というわけでもないんだろうし、ダーケストの血がヒカリくんの中のそういった負の側面を具現化させたものというのもそれはそれで理屈は通ってると思います…。自身から分離した負の側面を長年倒すことも受け入れることもできずに山ごもりしてた竜騎士を最愛の推しとして愛でてきた身としては、こうですと安易に結論づけられん。あれもどういう理屈なのかはよくわからないし…。分離したからと言って、元の謎男さんが何の迷いもない人間だったかと言われれば決してそんなことはなかったし。
なので、仮にヒカリくんが闇ヒカリを叩きのめして消滅させたからと言っても、ヒカリくんが負の側面などひとつもない清廉潔白な人間になるかと言えばそんなことはないと思うし、受け入れたと解釈しても、その後ヒカリくんにダーティーな面が出てくるかと言えばそんなことはないんですよね。ムゲンが言ったとおり「飼い馴らした」のであって、闇ヒカリを消滅させたわけでもなければ受け入れたわけでもない、ダーケストの血がもたらす”力”を行使できるようになった、というのが正しいのかなと思います。底力が陰の力から陽の力に変化したのも、それまで半分”力”に呑まれかけて行使していたものが、自身の意志で行使できるようになった証左なのかと。セリフが割と不穏なものから前向きなものに変わってるのもそういうことなのかなって。
「さらばだ……ヒカリ」って言ってたのは、弱かった自分への別れのセリフであり、自分はもう闇への恐怖心には負けないという決意でもあり、長らく共に過ごし悩まされてきた異物ではあったが、自分の内にあった以上はやはり自分の一部でもあったのかもしれない、という複雑な認識がヒカリくんにはあったのかもしれないです。結局この”力”があったからこそ、生き延びてこれた部分は否定できないですし、自身を成長させてくれたのも事実ですから。
ダーケストの血がもたらすこの”力”はジゴ国王にも同様に働いていて、彼はその”力”でもってク国を今の形にまで繁栄させてきましたが、それに心を痛めていた彼は灯火の一族の末裔であるクラさんを探し、見初めてヒカリくんを産ませます。ヒカリくんが闇ヒカリを制することができたのはこのおかげでもあったわけですが…。ジゴ国王がヒカリくんを取り立てていたのも、もちろんヒカリくん自身の王としての器を評価していたのもあると思いますが、灯火の一族の血が混ざっている=ダーケストの血を制することへの期待もあったと思います。