で、一方の純血のムゲンですが。何となくなんですけど、ムゲンはダーケストの血がもたらす”力”がなかったのではないかと思っています。いやこれ割と本編中で不思議だったんですけど、最終的にカザンの策により謀反を起こした彼ですが、ヒカリくんがまだ覚醒も果たしきっていない幼少期から彼を暗殺しようと目論んでいたのって何でなんだろうって。ヒカリくんは第二王子…とはいえ、血筋の面で言えばムゲンの方が圧倒的有利なわけで、黙っていれば勝手に王位は転がり込んでくるはずなんですよね。まあ、ク家の純血に誇りを持っていたムゲンなので、下民の血が流れているヒカリくんがク家に名を連ねてること自体が許せなかったというのもあるとは思いますが。
けど、ムゲンは純血に誇りを持っていたものの父のように”力”を行使できなかったので、王位に対する不安要素の排除と、ひいてはク家の純血を守るため、ヒカリくんの暗殺を目論んだ…という解釈も可能なのかなと。ところが結果的にヒカリくんは”力”を覚醒させてしまったわけで、純血である自分は”力”を行使できなかったのに、下民の血を引く愚弟は覚醒を果たしたというのはムゲンにとって驚異そのものだったんじゃないかと。
「兄上も聞こえるのですか…あの声が」というヒカリくんの問にムゲンは何も応えなかったわけですが、それが答えなんだと思います。聞こえたことがないんですよ。そして、父ですらその強大な力を完全には使いこなせず、自我を失ったことがあったというのに、弟は目の前でそれを「飼い馴らして」みせた。ムゲンに残された道はもう、黒血剣に力をもらうことのみ。けど、結果は見ての通りあっさり呑まれて異形の怪物になってしまったわけで…哀れ。もしムゲンに”力”があったなら、あそこまで完全に呑まれることはなかったんじゃないかなと思います。でなければ、黒血剣を継いできた歴代の王は全員異形の怪物に身を落としてしまっていたはず。ダーケストの血がもたらす”力”と黒血剣が合わさることで、歴代の王たちはク家を大きくしてきた…ってことだったような、いやこれはちょっと記憶が怪しいな。
でも、闇ヒカリはヒカリくんにとっては異物であり驚異であり、決して馴れ合うものでも受け入れるものでもないんじゃないかな…とは思っています。ゆえに、ヒカリくんは闇ヒカリを仲間や大事な人の前に晒したくはないと考えているはずだし、そう簡単に表には出さないようにしているので、闇ヒカリがアグネアとどうこうなる展開はあまりないんじゃないかなと。ましてや、アグネアが闇ヒカリをヒカリくんのいち側面として受け入れ、愛するなんてことは絶対ないと言いたい。ヒカリくんからしたらNTRじゃん…やめてさしあげろ。
闇ヒカリが何かの拍子に出てきてしまって、アグネアに無体を働く展開はまあある…と思うんですが、それもアグネアを気に入って…というよりは、ヒカリくんが大事にしてるものだって分かってるから、奪って壊してやれば外に出やすくなるという打算の方が大きいと思うのでね。そこに愛も恋もないですよ。
まあしかし、闇ヒカ戦後のヒカリくんは多分トラベラーズはもちろんアグネアに対しても一枚隔てていた壁がなくなって、もっと距離が近くなるんだろうなとは思う。酒場PTCとか本編中に比べるとだいぶはっちゃけるようになってるしな…。
アグネアに対してもそれはそうで、闇ヒカリに呑まれることを恐れなくなった分、アグネアに対するあれこれがストレートになる気はする。更にグイグイ行くし、触れたい抱きたいっていうことをこう、遠慮なく…それまではアグネアの方がやや積極的くらいだったのが「ヒカリくんこんなだっけ!?」ってアワアワするくらい遠慮会釈なくグイグイ行ってくれク国王。グイグイ行ってもアグネアは受け入れてくれると確信してるからこその迫り具合なんだべな〜アグネアもアワアワしつつ、最後には必ずヒカリくんの首に腕を回して「いいよ、来て…」って抱き寄せるっていうのいいよね…。
話変わってるけど結局私はイチャイチャヒカアグが好きということです(まさかの結論)
今回の本では闇ヒカリは話題には出るけど本格的に取り上げるにはまだ解像度が低くてですね…。ヒカリくんが闇ヒカリのことをトラベラーズに明かすのって結構先の話なんじゃないかと思っていて、まあ少なくとも3章の後だろうなと。それまでにも、PTCでオーシュットが存在を嗅ぎつけてたりするんですけど、彼はそこで明言を避けているので(おそらく”いる”とあまり認めたくなかった)…。トラベラーズはヒカリくんの様子が戦闘中に時々変わることに気付いてはいるけど、彼が言い出さないので何かあるのだろうとスルーしてくれている…と思います。さすがに3章では結構ハッキリ表に出てきてしまったし、抑えることも難しくなってきたので、これ以上隠せば旅にも影響が出ると考えて、明かした上で何かあれば自分を斬ってでも止めてくれとお願いしたのかななんて妄想はしています。
それなんてカイン?