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元々カインのことは好きだったけど、私はずっと彼がセシルを憎みつつも親友として大切に思う気持ちがあまり実感としては理解できないでいた。
ローザのことがそれほどまでに尾を引くものなのかと。

でも、ローザのことはきっかけというか一種の決定打なのかなと今は思う。それまでの生い立ちやら地位やら実力やらにまつわるものが多すぎて、悔しい思いをすることもあったとはいえ、でもそれ自体は友情にヒビを入れるほどのものではなかったのだと思う。じわじわと侵食はしていたかもしれないけど。
だから、カインはローザを手に入れるより先にセシルを倒すことに固執する。

そりゃまあ、全年齢向けのゲームなんだからという点を差っ引いても、ローザのことが先ならそのままローザの純潔まで奪うかはともかく、くちびるの一つや二つ奪って、セシルに見せつけてやってもいいと思うんだな。けど、それをしなかったのはカインの中に残ってた竜騎士としての誇りとか以前に、ローザへの恋心よりセシルへの敵愾心の方が強かったということなのかなと。でも、セシルへの友情も一方では本物なんだよね。それだけ、セシルとは馬が合って一緒にいるのが楽しくて、武術の実力も拮抗してたんだろう。

何となく、その辺がここ3年くらいで実感としても理解できるようになってきたと思う。私はずっと友人が羨ましい。私より絵も話作りも上手く、人からの評価も高い。けど、本人はそんなのもう一切気にせずに内輪で好きカプの見せ合いしてるのが楽しいのだと言う。まるでセシルみたいに純粋で優しい。
一方の私は、人からの評価はそれほど気にしてはいないと言いつつ、やっぱり誰かには見てもらいたい気持ちもあるし、でも内輪で無理に褒めてもらいたいわけではない。かと言って、同好の士を見つけて語りたいとか、そういうのはあんまりやりたくない。
でも、ポイピクのスタンプ数はちょっと気になっちゃう。心なしか、カイポロ描くようになってから減った。エドティナは結構貰えてるけど、カイポロはさっぱりだ。ピクモフのステキと閲覧数は随分前から集計しなくなったから、ないも同然なんだけど、ポイピクは元々その辺のちょっとした承認欲求を満たしたくて始めたから、完全にリアクション閉じてしまうことができないでいる。やっぱり、通りすがりにでも見てもらったからには何か欲しいなと思ってしまうこの浅ましさよ。で、結局カプ格差に凹むんだ。
友人から長文感想毎回もらっといてこれだから救えない。

貫き通すこともできなくて、絵を描くときも純粋に楽しんでるかと言われれば、そりゃまあ好きカプを描くのは楽しいけど、本当に描きたいものを描けているかと言われれば、そうじゃない気もする。

私はカプ厨だ。だから、カプ絵を描くのが好きで描いてる。
でも、カプでない絵も描くのだって好きで、例えばゲームの隙間にあったかもしれない場面とか、ゲームのイベントシーンとかだって、描いてみたいとは思ってる(描けるとは言ってない)

要するに何かブレブレな自分が嫌で嫌で、何となくだけど、カインも自ら竜騎士の道を選びその誇りを守ることを貫き通してたはずが、結局は己の感情にブレブレなところがあって、そういう自分を憎んだときもあっただろうし、それがセシルとの違いを更に浮き彫りにしてグッとなってしまうこともあったのかなとか。

まあ、自分と重ねるなんておこがましいにも程があるけどね。
人間だからブレることもあるんだろうけど、少なくとも私にとって理想の心持ちを維持して貫いてる友人が羨ましくて、たまに表に出せば自分なんか比にならない評価をもらっているのが時に妬ましくて、何より自分が友人の絵を人柄も含めて大好きだから、多分カインもこうだったんだろうなと重ねてしまうという不敬。

すまないカイン、友人。友人と呼んでいいのかも時々迷うのは内緒。一緒に原稿合宿だのゲーム合宿だのして、合同本まで作ってイベント出た仲だけどね。そこまでしてるのに、友人と呼ぶには憧れが強すぎて雲上人感が抜けないんだ。

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