先週くらいからFF7のリマスター版(≠リメイク)をPS4でプレイしているのですが、昔やってたときはマテリアシステムが使いこなせなくて 「何で魔法を任意で全体化できんのじゃー!」とか憤ってたりした上に、ヒロインズもクラウドもどうしても好きになれなくて結局途中で投げたわけなのですが、年を重ねた現在はマテリアの組合せを色々考えるのも楽しいし、キャラに関してもまあ…って感じで、ゲーム的な操作性とかそういうのはやっぱり荒削りだなあと思いつつも楽しんでいます。
何ていうか、改めてプレイし直してみるとストーリーに散りばめられている伏線とかを読み解くのが結構楽しくて、こういうのは動画見てるだけじゃ味わえない醍醐味だなあと感じます。
つか、ミッドガル脱出までってリマスターのプレイ時間にして7時間足らず(ウォールマーケットで無駄に女装を完璧にしたり神羅ビルで盛大に迷ったりミニゲームに失敗したりしてた)なのを、どう膨らませたらフルプライスのリメイクになるのかすっげー気になるところではあるのですが、体験版で挫折したので多分やりません。
話が逸れましたが、現在はロケット村の手前で中断しています。ユフィとヴィンセントも仲間に加えたことだし、ストーリー的には古代種の謎(?)が徐々に解き明かされつつあって、エアリスの意識が変わってきているっぽい感じがしてきました。各地に出てくるセフィロス(黒マントの男)の目撃情報、この「謎を追っている」という感じが楽しいですねえ。いやほんと、昨今の何やかんやで、セフィロスがクラウドをストーカーして執着するのはやっぱり設定的に合わないんじゃないかと思うんだけどその辺どうなってるんでしょ。
とりあえずロケット村手前までで、気になったところというかかゆいところを語ってみようかなと思いました。
各地に出てくるセフィロスについて
周知のとおり、本編中の世界各地で目撃されている「黒マントの男」ことセフィロスは全て本人ではなく、ジェノバの各パーツが擬態した姿だったり、ニブル事件の後リユニオン説の実証のためにジェノバ細胞を埋め込まれた生き残りの人たち(以下、被験体)がセフィロスの意志により、彼の姿を再現したものだったりします。ちなみに、被験体にはそれぞれナンバーの入れ墨が彫られており、ミッドガルには№2がいて序盤にエアリスと二人で会うことができます。
さて、セフィロスが最初に出てくるのは神羅ビル。姿は見えませんが、プレジデントを刺殺したのはセフィロスであるとパルマーが証言します。これの正体は神羅ビルに補完されていたジェノバの胴体であると推察されます。独房に閉じ込められていたらいつの間にか鍵が開いていて、看守は「人間のやり方ではない」方法で殺されていて、外に出てみたらフロアは血の海みたいな状況がホラー過ぎてもうね。
ここでクラウド一行と神羅は5年前に死んだとされていたセフィロスの生存を確信。セフィロスを追うことになるわけですが、この段階ではクラウド一行も神羅側もジェノバ=古代種=セフィロスと見做しているため、話が少しややこしくなっています。「約束の地は渡さない」というセフィロスのセリフも古代種として星を守るためのものでは?という一行の疑問に対して、クラウドだけが反発します。
まあ、後々の展開を考えるとこのセリフはセリフ通りの意味で「約束の地は(誰にも)渡さない」ってことなんですけど。
カームで「刀を持った黒マントの男を見た」という目撃情報があったので、これもおそらく神羅ビルから逃げ出したジェノバの胴体。その後、湿地帯でミドガルズオルムを串刺しにしてたのも足取りから考えると同じ個体だと思われます。
ところがぎっちょん、ジュノンからの運搬船に現れたセフィロスはジェノバの腕らしきものが擬態した姿だと分かるわけですが、どこから湧いて出た。胴体はどこ行ったの。
で、運搬船を降りた先のコスタ・デル・ソルでは「黒マントの男が海からザバザバ~って上がってきた。ゴールドソーサーのチケットみたいなもの持ってたよ」という感じの、想像するだけでホラーかつシュール極まりない目撃情報が聞けます。少なくとも、運搬船にいたセフィロス(ジェノバの腕)は倒したので、そいつとは多分違うんだろうなという予想はつくのですが、コイツはどこから湧いて出たのか。
その先、北コレルでは「手の甲に№1の入れ墨の入った黒マントの男がゴールドソーサーに向かった」という目撃情報を得られるので、ゴールドソーサーのチケットを持って海から上がってきた黒マントと同一人物と思われます。そして、ゴールドソーサーの園長ディオはそこで「手の甲に№1の入れ墨を入れた黒マントに黒マテリアのことを聞かれた」と言います。その後、コレルプリズンを出るときにディオがくれた手紙には「セフィロスに会った」と言っているので、おそらくこれらは別個体じゃないのかなと思うんですけど、だとしたら何しに来たんでしょうね…。
この後たどり着くニブルヘイムでは黒マントの人たちがうごうごしているのを目撃できるし、彼らに話しかけると「リユニオンに行かねば」「セフィロス様にアレを届けなければ」というようなことを言うので、黒マントの人たちはセフィロスに何かを届けるよう命じられているのが伺えます。
で、神羅屋敷にてセフィロスと邂逅するわけですが、彼は「お前はリユニオンには参加しないのか?」「厄災はリユニオンによって完成し、星を滅ぼす」的なことをクラウドに尋ね、「ジェノバは古代種じゃないのか?」と返されて「なるほど、お前にはその資格はないようだ」とマテリアを投げつけて飛び去っていきます(シュールすぎて爆笑してすまない)(しかもしょうめつのマテリアなのが余計笑える)
さて、このセフィロスは「誰」なのか。
とりあえず、私が現在進めているストーリー中ではここまでがセフィロスの目撃情報及び、その足取りとなるわけですが…。
どうもすっきりしません。どうやら各地に出てくる「黒マント」にはジェノバの擬態したセフィロスであるというパターンと、黒マントを被った被験体の二種類があることがわかるのですが、ゴールドソーサーにはわざわざその二種類が訪れているし、ジェノバ細胞によって自我を蝕まれた被験体たちはジェノバの本能に従ってリユニオンに動き出すはずなのに、結構その場でうごうごしているだけの奴が多い印象です。かと思いきや、どこからともなくゴールドソーサーのチケットをゲットして、海を渡ってるようなアクティブな奴もいるわけで、この行動力の差はどこから来てるのか。
あと、運搬船にいたジェノバの腕らしき奴はどこから湧いて出たのか。つか、どうにも私自身も勘違いしているような気がしてきたのですが、元々ジェノバって色んなパーツに分かれて各地で封印されてたのが、ガスト博士によって首が発掘されてニブル魔晄炉に保管されて研究されていたって思っていたんですよ。でも、現代の神羅ビルには首なし胴体がある。どこから湧いて出た。もしかしてジェノバって5年前の時点では五体満足の状態でニブル魔晄炉にいたんですか。
うーん、カームでの回想ムービーがよく思い出せないのですが、顔は確かにあった。でも、首から下は…少なくとも、胸あるなあとか思った記憶があるようなないような。あれ、それじゃやっぱり五体満足でニブル魔晄炉に保管されてたってことですか。
じゃあ、5年前のセフィロスはクラウドに予想外の重傷を負わされて、全部は持ち運べないからって「母」の首だけを切り離して持ち歩こうとしたってことですか。
……そして はいねは かんがえるのを やめた。
約束の地とは
神羅の考える約束の地は「至上の幸福をもたらす地である」という言い伝えから、「魔晄エネルギーが潤沢な土地」です。
そして、コスモキャニオンで出会う長老は「古代種にとって、過酷な旅を続ける運命から解放される場所、すなわち死に場所」と解釈しています。
EDでクラウドが「わかったような気がする」と言っていた約束の地も、概ね似たような解釈なのかなと個人的には思っています。
「魔晄エネルギーが潤沢な地」「古代種にとっての死に場所」というのはどちらも正解だけど不正解ってところなのかなあと思います。
FF4~9にかけてプレイした個人的な印象として、最終的には「帰るべきところに帰る」というのがひとつのテーマとしてずっと横たわっているように思います。一番顕著なのは9ですかね。これはもうそのまんまですからね。この「帰るべきところ」というのは作品によってそれぞれ意味が異なってくるのですが、7では約束の地が「帰るべきところ」なのだと思います。
話が逸れましたが、古代種にとっての死に場所が約束の地だとすると、エアリスの実母であるイファルナさんがエアリスに言い聞かせていた「貴方だけの約束の地を見つけなさい」というのがちょっと矛盾するかなあという気がするんですよね。娘に「自分の死に場所を見つけなさい」なんて言い聞かせる親というのはちょっと考えにくいというか…。
一方で、神羅が言うような魔晄エネルギーが潤沢な地というのも、完全に間違いではないと思うのですよね。古代種の役割は、旅をしながら星と対話し、星の中を循環する精神エネルギーを成長させていくこと。その古代種が最後に到達するところはどこかと言われれば、星に帰って精神エネルギーの一部となることです。魔晄エネルギーは星の精神エネルギーを人工的に凝縮したものなので、これまたあながち間違いでもないというか。
まあ、結局のところライフストリームの中にある、というのが大方のぼんやりしたイメージだとは思うのですが、それとは別の意味合いもきっとあるんだろうなと思うのです。
先述したように、エアリスの実母であるイファルナさんは神羅の研究所に囚われていた間、エアリスに「いつか旅に出なさい。そして、エアリスだけの約束の地を見つけなさい」というようなことを繰り返し言い聞かせていたと語られます。仮に約束の地が死に場所だとするなら、イファルナさんの約束の地はあの駅になっちゃうわけですが、イファルナさん的には幼いエアリスを遺して逝くことになるし、ここが私の約束の地だわ!だなんて思ってるわけないと思うので、結局道半ばで倒れたことになっちゃいますね…。
何が言いたいのかよくわからなくなってきたけど、約束の地に含まれてる意味って「自分が帰るべき場所」、すなわち大局的にはライフストリームに帰って星の一部となることなんだけど、もっとミクロに見れば単純に「自分が帰りたいと願う場所」なのかなって。もちろん個々人によって違うと思います。故郷だったり、自分の気に入った土地だったり、愛する人の隣だったり。
結局のところ、古代種は旅を続けながら星の精神エネルギーの循環を促す運命を背負っていたものの、その本質って「旅の終着点を見つける」=「帰りたい場所を作る」ってことだったのかもしれないなあと思うのです。
だとするなら、エアリスはきっとそれを見つけられた。それが「どこ」なのかは人それぞれの解釈だと思いますので、私は言及しません。だから、エアリスはある種とても特殊な人生を目一杯生きて、それを理不尽に終わらされたけど、エアリスだけの約束の地を見つけることができて、自分なりの使命も果たせたから安らかに帰れたと思うんです。
セフィロスは…きっと見つけられなかった。科学に弄ばれるだけ弄ばれ、誰にも真実を知らされず、得た知識から彼なりに考えて出した結論が人類への復讐であれこれと暗躍するけど、その実、きっとセフィロスも彼だけの約束の地を見つけようとしていたのだと思うんです。それを最初はジェノバに求め、ジェノバは自分の求めていたものと違うとわかって、ならばもう全て壊してくれよう、ってなるみたいな…。
そんなセフィロスも最後はライフストリームに帰る描写があったわけで、これだけが唯一の救いだったんじゃないかなと思う次第です。やっと見つけられた、と感じてくれていたらなと思うのですが、表情見る限りじゃそんな感じじゃないし、後々にクラウドのストーカーにされることを思うと、もういい加減にしてほしいですね。眠らせてやれ!!(結局最後はコレである)