【FF14】黄金のレガシー珍道中⑪

物語がクライマックスに向かってくると、当然のことながら文量がアホほど増えるのがどうにかなってほしい。

ゾラージャ、動く

ゾラージャを討とうにも、普段は居場所が分からない奴なので「ウクラマトが決闘しに来るのを待っていたのになかなか来てもらえないから、しびれを切らしてトライヨラを襲撃しに行くところを討とうぜ」という作戦が見事的中しまして、情報収集も兼ねてアレクサンドリアをウロウロしていたらゾラージャが出てきました。ゾラージャよあまりにも単純かつ短絡的では…と思ったけど、まあゾラージャにしてみれば黄金郷に辿り着いてアレクサンドリアを掌握したものの、障壁の外に軍を侵攻させられるほどの「出口」を築くまでに30年かかってるわけですからねえ…。

ということで、ゾラージャが軍を動かしてトライヨラを含めたトラル大陸に出撃しに行くところを討つわけですが、その中でスフェーンの「目的」が明かされることに。

知ってた~~~~!!!!!

まあ、スフェーンが何というか「こちら側」ではないことはここまでの話の流れと、意味深な言動を見ていれば何となく分かります。どことなくダブルスタンダードっぽい香りがしていたのは、自分が元の世界で凄惨な戦争を体験しているからで、それを他国民に味わわせてもいいものか、という迷いはあったんだと思うんですよね。「アレクサンドリア国民にならないか」「今からでもトライヨラと和平を結べないか」という申し出は、彼女なりのせめてもの慈悲とでもいうか。ウクラマトとヒカセンの人となりを知ったスフェーンは、ヒカセン一行(を含めたトライヨラ)を滅ぼし魂を全て貰い受けてしまうのはしのびないとでも思ったのかな。アレクサンドリア国民は彼女にとっては「家族」なので、「家族」になってくれれば殺さなくて済むよ? 何ならアレクサンドリアでほぼ永遠の命を享受できるよ? って感じかな。

やっぱり「お前も鬼にならないか」案件だった。

当然のことながらそんなことは受け入れられないので拒否なのですが、ゾラージャもスフェーンとの共通の「目的」のために全軍をトライヨラに向かわせます。が、既にアルフィノやコーナによって対策はばっちり打たれていました。いや、まさかほぼ暁による人力での迎撃とは思わなかったけども。無人在来線爆弾で資源使い切ったんか?

でも、あの短期間でラザハンと国交結んでヴリトラ自らドラゴン族を率いて助太刀しに来てくれるのはアツかった。城に置いているとはいえ、戦地なのにちゃんとアジュダヤも連れてきてる辺りこの姉弟ほんともう…かわいいよな…。5000年も離ればなれだったんだもんね、そりゃもう最低でも向こう5000年はどこ行くにも絶対一緒だよくらいの勢いでかわいい。七大天竜はそのほとんどがつがいと幸せに生きられなかったので、ヴリトラとアジュダヤはもう死ぬまでつがいとして幸せに生きてほしい。

そういえば、ラザハンってヴリトラがずっと治めてたわけだけど現地ではあんまり眷族のドラゴン族を見たことない気がするんだよな~。それが今回、ヴリトラが咆哮で呼んでた眷族ってもしかしてアジュダヤと成した子だったりするのかしら。いやまあ、ドラゴン族って一人でも子供生めるし眷族増やせるし、この短期間であんなデカいドラゴンがわんさか育つわけがないので元々いたやつなんだろうけど。

アジュダヤがちょっと立派になってた

ソリューション・ナイン襲撃

ということでトライヨラ側の思わぬ抵抗により、後退せざるを得なくなった軍をゾラージャはよりによって自国に向けます。さすがにそこはスフェーンも予想してなかったというより契約違反だったのですが、彼女は軍の指揮権を持っていなかったのでどうにもできず。

このゾラージャの行動だけど、まあ自身の残機や強化のために魂をより多く欲してたのもあると思うけど、やっぱりウクラマトへの挑発って部分が大きかったんですかね。あくまでゾラージャの目的はウクラマトと決闘し倒すことですが、ウクラマトの目的はトライヨラへのゾラージャの侵攻を止めること。そのために決闘に乗ったわけでトライヨラ側が防衛に成功した時点で、ゾラージャと決闘してまで倒す理由はほぼなくなっているんじゃないかと思うんですよね。でも、ゾラージャ的にはそれは本懐ではないので今度は自国に軍を差し向けることで、彼女に自分と戦う理由を作った…というのは考えすぎかしら。

というか、この辺からゾラージャの「目的」がすり替わってる印象があります。いやどうなのかな。ゾラージャが掲げていた「トラル大陸を平和にするためには、外征で戦の愚かしさを民に知らしめ、全てを統一すれば良い」という理念はもしかしたら、父親に対する逆張りだったんだろうか。トラル大陸全土を武力でなく統一した偉大なる先代連王を超えるには、全世界を統一するしかない的な…。

ソリューション・ナインの襲撃に関してはアレですね、クジャが暴走してテラを滅ぼしてる様子が何となく想起されました。

この戦いの中でオーティスもスフェーンを護ってお亡くなりに。思えばこれがスフェーンにとっての一番の転機だったと思う。彼の死は、彼女から迷いを払拭した。悪い意味で。

オリジェニクス~ゾラージャ討滅戦

ソリューション・ナインの襲撃や住民の救出作業も一段落ついて、いよいよもってゾラージャを放ってはおけない。彼が退散して行ったオリジェニクスに突入します。

いやしかし、しれっと言ってますけど本来星海の中で自然の摂理として行われていることが人工的にできるってとんでもないことですねえ。魂の選別、資源としての再利用ってこの建物がまんまイーファの樹ってことですやん。イーファの樹はまだ魔力によって造られた代物だったので、まあそういう作用があってもさもありなんという感じでしたけどオリジェニクスでは内部は完全に機械化されているわけで、機械が魂の選別だの何だのやってるというのはゾッとする話です。というか、そりゃまあ人の魂なんて突き詰めればエーテルとか生命エネルギーの塊ってことなんでしょうけど、何というかこう、こうも科学的に処理されると果たして人って何だ、死ってどういうことだってなりますわな。

まるでダリの地下工場のように運ばれていく魂の行く先にゾラージャがいるに違いないとアタリをつけて追っかけていくわけですが、ヒトの魂と魔物の魂を同じ身体に入れてみようとか割ととんでもない実験されてたりして、アラグ帝国を思い出したり。つか、3ボスで出てきたコイツがどうもその実験体っぽいんですけど、あの、コイツもしかして…スフェーンに「俺もう魂のストックがないんだよ何とかしてくださいよ!」って泣きついてたアイツだったりしないですよね? ね?

処理された魂はソウル・ケージに収められて管理されているとのことでしたが、肝心のソウル・ケージはほぼ空っぽ。ここで取ってつけたようにアルフィノ、ヤシュトラ、エスティニアンと合流していよいよ討滅戦ですねといった趣。ところでこのソウル・ケージがあるエリアのBGM、ウイユヴェールのアレンジですね?(いつか帰るところのアレンジと言った方がいいか)

先のソリューション・ナイン襲撃時に大量に回収されたであろう魂はほぼゾラージャが取り込んだ状態だったのですが、魂は当然一人ひとつが基本なわけで、こんなにたくさん取り込むのは当然キャパオーバー。しかも、死者の魂が持つ記憶などは入念に除去されてなければ、記憶の混濁や人格の変貌など重篤な副作用が出るのですが、おそらくその辺の処理はきちんとされないままに取り込んでいるのでもはやゾラージャであってゾラージャにあらず。

かくしてゾラージャ討滅戦と相成ったわけですが…まー難しかった。ハイデリン討滅戦もめちゃくちゃ難しかったし、正直今でも全然分かってないんですけど、ゾラージャみたいなタイプの脳トレギミックはマジで苦手。つか、どう見てももう正気を失いかけてたのにギミックは脳トレタイプってどういうことよ!!w

かくしてついにゾラージャはウクラマトによって討たれたわけですが…この一連の流れを見るにつけ、まさかグルージャが本当にゾラージャの息子だとは思ってなかったです。いや、マジでゾラージャが老衰による死を免れるために用意した「器」だと思ってたんですよね…。とはいえ、一時は人質にしたものの用がなくなったグルージャを殺さずに見逃したり、討滅戦のさなかに幻影として出てきた彼だけは斬るときに躊躇いを見せたところを見るにつけ、やはり本当に血を分けた息子だったんでしょう。

つか、母親は誰よ!? ドラゴン族みたいに単為生殖ができるんか!? いやまあ、一人でふたりである双頭のマムージャならあり得なくはない話なんだけど…あ、もしかしてそこも含めて「奇跡の子」なのか!? 子が為せないはずの双頭が、パートナーの存在なく子を成したっていうところが奇跡ってこと!? で、青いウロコを持つフビゴ族であるゾラージャも、頭こそふたつとかではないけど、生殖に関しては一人でふたり分賄えるみたいなそんな感じなんだろうか。

それにしても、ゾラージャの目的というか、彼は徹頭徹尾「父を超える」ということに執着してここまでのことをしたというのが何とも恐ろしい一方で、自分の息子に対しては「俺はおまえをどうとも呼ばない、どうあれとも願わない」と言っている辺り、これが息子への最大限の愛情だったんだろうなというのがせつねえ~~~~。。エメトセルクがソル帝として作った我が子に対する感情とは真逆のものに見えますが、ずっと「奇跡の子」と呼ばれ「父王を超える偉大な王たれ」と周囲に願われてきたゾラージャにとっては同じ特徴を持って生まれた我が子にだけは「何者にも縛られずに自由に生きてほしい」という感情だったんじゃなかろうか。

あと、討滅戦後にゾラージャが倒れてるところを眺めて気付いたんですけど、己の強化フォーム…まるで双頭のようになっているところがもう、あまりに痛々しかった。

お姫様の大暴走

ゾラージャを倒してめでたしめでたしとはいかないのがお約束。ついに真打ち登場ですよ。実はこの空間には元々巨大なヴォイドゲートのような「穴」がありました。この「穴」はおそらく次元の狭間に通じるものなのですが、かのゼロムスが開けたものよりずっとずっと大きなものだと言います。そりゃまあ、アレクサンドリアを丸ごと持ってきたくらいなのでそれなりの大きさなんでしょうけども、ゴルベーザが5000年かけて計画して召喚し、七大天竜たるアジュダヤを喰らって開けた穴より遥かに大きな穴を人工的に開けたというのは…アレクサンドリアの科学力恐るべし。FF9の世界観的には科学って全く縁遠い感じなんですけど、この辺はFF13っぽいイメージがしますね。いや、13やったことないからただの偏見なんですけど。

そこに現れたスフェーンですが、彼女からは既に「迷い」が消えていました。

ということでね、彼女の護りたいものは「アレクサンドリアに住む家族」ではなくなっていました。いや、元々そうではなかったんでしょうね。永久人たちが暮らすという「リビング・メモリー」を護ることこそがアレクサンドリアを護ることに繋がっていたというか。要はアレクサンドリアの人たちは死ねばみんなここに行くわけで、彼女にとっては今生きている人たちが生活しているアレクサンドリアがどうにかなっても、ここが無事ならば全てOKということなんですかね。現在廃墟と化している旧アレクサンドリア城下町に住んでいた人たちは、おそらくみんなそこで「生きて」いる。だからアレクサンドリアは滅びてない。

だけど、死者が生きるためには生者を殺さなければならない。それを生者は当然受け入れられないけど、彼女を含めた永久人たちだって「生きている」のだから、やはり同じように「黙って死ぬ」のは受け入れられない。もう平行線なんですよね。古代人が自分たちのために現生人類の営みを壊すしかなかったように、現生人類だって古代人の営みのために自分たちが犠牲になることはできない。やはりどうあってもどちらかが生き残るためには、どちらかを犠牲にするよりない。ただ、ヒカセンたち現生人類はアシエンやヴェーネスたちの生きたかった想いも背負って生きることを選んだ。相手を犠牲にして生きるというのはそういうことだと知っているから、きっとヒカセンたちは永久人たちのそれを背負うことを選ぶのでしょう。

それにしても、アレクサンドリアの古い教えでは「肉体はいつか終わりを迎えても、誰かの記憶に刻まれている限り命は永久に継承されていく」ということらしいですが、レギュレーターの機能で生者の記憶からは死者のことは抹消されてしまうのに、永久に続くもへったくれもなかろうと思うんですがね…。永久人たちが記憶をずっと継承してるから大丈夫ってことなんですかね。。14のアレクサンドリア、基本的に全てが死者基準なので今生きている人たちのことはあまり考えられてないというか、魂のストック制にしても永久人を生み出すために重要な記憶の部分以外をどう利用するかってところで、とりあえず生きている人へのストックにしとけばええやろ感がありますし、どっちが「生きている」のかよくわからなくなります。ビビじゃないけど「生きてるってことを証明できなければ死んでいるのと同じなのか」という命題を突きつけられている気がします。生きているって何なんだろう。

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