昨日Twitterのトレンドに居座っていた「トレパク」の問題について。私自身、この手の問題に少しだけ巻き込まれたことがあるので色々と思うことがありました。以前も書いたような気がしますが少しだけ吐き出させてください。
先に断っておくのですが、私自身は10年以上に及ぶインターネットらくがきマン生活で他人様の作品をトレースして、自作品として世に出したことはただの一度もありません。参考資料とし横に置いて描くということはやりますが。あと、自分で3Dデッサン人形を組み合わせて、それをトレスするということは割と日常茶飯事だったりしますが、それ自体は何の問題もないと認識しています。あればご指摘ください。
それもこれも、自分はやはり自分絵というものが好きであり、描くことそのものに喜びを感じているからで、だからこそ貴重な週末の時間をそこに費やすことができるし、そうやって生み出した自作品を好きだと言ってくれる人が居られた時の喜びもひとしおなのだと思っています。
前置きが長くなりましたが、トレパク問題に巻き込まれたのは、厳密に言えば私ではなく当時の私の友人でした。もう10年以上前の話になりますが、今も鮮明に思い出せます。
当時の私はとあるマイナー男女カプにハマり、サイトで細々と萌えを自給自足しているような生活でした。もう本当にマイナーで、どれくらいマイナーだったかと言うと今のpixivでも30件ほどしか出てこないと言えば大体伝わるでしょうか。それもほぼ同じ人が描いているっていう。当時のサーチにそのカプで登録してるのは私だけという有様でした。まあ、ジャンル自体も割とマイナーだったとは思いますが。
そんな中で「私もそのカプ好きです!」と声をかけてくださった方がいました。自給自足の民なら大体共感いただけると思いますが、そうやって声をかけてくださる方がどれだけありがたいことか。おまけに自分もサイトを持っていると相互リンクをしてくださった上に、メールで萌え語りなどの交流もしてくれたのです。控えめに言って神です。
その方は色んな雰囲気の絵を描ける方で、私はすごいなあと単純に尊敬もしていました。
知り合って半年ほど経った頃でしょうか。私の元に1通の拍手メッセージが届きました。
「貴方が相互リンクしている〇〇さん、2ちゃんねるのネットウォッチ板でパクラーとして晒されていますよ」
まさか、と思いました。信じたい気持ちと本当だろうかという疑惑がないまぜになって、その場は「ご忠告ありがとう、先方からアクションがあるまでは静観します」と言う旨の返事をしたのですが、「あんたも類友なのか?」と言うようなメッセージが来る始末。目眩がしました。当時はサイト交流が全盛だったので、私も例に漏れずその方とイラスト交換などしてサイトに展示していました。そこから私のことも知ったようでした。
まあ、私は前述の通り今も昔も人様の作品をトレスした上で自作品として発表するような真似はしていません。サイトに置かれているイラストを見れば一目瞭然でしょう。多分。そういうこともあってか、私に対する凸はこれだけで終わったのですが、疑惑の張本人は当然それだけで収まりませんでした。
私が見た検証スレには、トレス検証画像がいくつも作られていました。私に贈ってくださった絵もトレスであるとの結論が出ていました。少なくとも、彼女のサイトに置かれていた絵のほとんどはいわゆる「ラレ」が発見されていました。この辺の手法はこの10年変わっていないのが興味深いですね。残念ながら検証画像を保存するという発想が当時の私にはなかったので、あれが言いがかり検証だったのかどうかはわかりません。
そして、晒された当の本人は弁明するでもなく、本当に無言で突然サイトを消していなくなってしまいました。私がメールを送っても無反応のまま、本当に文字通り消えていなくなりました。
結局その人は本当に黒だったのか?という部分は今も謎のままです。が、私であればですが、少なからず反論用に制作過程のレイヤー構造を公開するなどのアクションは取ったと思います。そして、交流のある人からのメールには何かしらの返信をしたでしょう。
それらを全て放棄して、逃げるように姿を消したということはそういうことなのかな、と思わざるを得ませんでした。もちろん、反論してもメリットがあるわけでなしと判断して、面倒を嫌い、新天地を求めた可能性もなきにしもあらずですが…。だとしても、年賀状のやりとりまでした相手に何も知らせず失踪とはあまりに無責任が過ぎる。
ダンマリ失踪のおかげで、スレ民の興味は瞬く間に薄れました。炎上対策としては正しかったのかもしれません。
が、私の中に残されたモヤモヤは10数年経った今でも鎮火することはなく、今回のようなトレパク騒動を見る度に思い出してしまいます。
トレパクは本当に何も生み出しません。一瞬の承認欲求を満たしたとしても、それで多くのフォロワーを獲得したとして、一体何が残るというのでしょうか。自分はダンマリ逃亡を決め込めば、いずれ別の寄生先を見つけて転生し、転生先でまた新たに承認欲求を満たせるのでしょう。でも、貴方の作品と信じて、それを好きだと思った人はどうすれば良いのでしょう。己の見る目のなさを嘆くしかないのでしょうか。あの萌え語りや楽しかった時間まで嘘だったと思いたくはないのに、それすら嘘だったのか。滑稽な信者として他者の嘲笑を受け入れるしかないというのか。
そんなことまで考えられるような人ならトレパクなんかしないんでしょうね。
今でも不思議なことはあります。今回騒動になっている人は、かなり巨大ジャンルで活動していました。その手の騒動を起こす人は往々にして大きめのジャンルにいますね。単純に母数が多いからバレにくいと思ってるのか、はたまた「素材」が豊富で人気ジャンルだからお手軽に承認欲求を満たせるからなのか。
ですが、私が経験したその「友人」はジャンルもカプもどマイナーの極みでした。そして、決して絵が上手いわけではない私に声をかけてきたのは何故だったのか。カプへの萌えは本物だったけど、それを表現する術を持たないからトレパクに手を染めたのでしょうか。その思考回路だけはきっと一生理解できそうにありません。
