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2019/02/26 13:28
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 セッツァーはこれまで、一夜の恋人としか床を共にしたことがなかった。名前も過去も心さえもいらない女性たちとの行きずりの恋は、快楽はもちろんのこと相応の「スリル」も与えてくれた。それが楽しかった。女性の扱いに長けているというわけではないが、色々なタイプを相手にしてきたのが幸いしてか、それなりの悦ばせ方は心得ている。だが、その反応に心を大きく揺さぶられることもなかった。大体予想の範疇だったからだ。
 それが、今はどうだ。17も年下の少女に対して、その柔らかさにいたく感動を覚えているし、どうすればもっと乱せるだろうかと脳内がフル回転している。ギャンブルでの伸るか反るかの勝負にも勝るとも劣らない興奮がセッツァーの身体中を支配する。
 ……17も年下の少女の脚の間に夢中になって顔を埋める羽目になるなんて、誰が想像しただろうか。

「ひぁ……、せっつぁ、あ……っ! そんな……とこっ」
「は……っ、ん、きもちいいか……?」
「や、や……っ」

 上目遣いでリルムの表情を見れば、頬のみならず全身を桃色に染め、セッツァーの銀髪を震える手でくしゃりと弱々しく掴みながら、こくこくと頷いている。
 ならよかった、と安堵にも似た気持ちになりながら、もう一度長い指をリルムの中に挿し入れ、肉芽を唇で食んでやる。リルムの腰が大きく跳ねた。

「や、やだ、へんになっちゃうよ、あ……っ」
「それでいい、つってんだろ」

 やだやだと首を振りながらも、リルムは逃げる気配もなく、セッツァーの髪を掴む手に心なしか力がこもった気がするのは、身体は正直ということだろうとぼんやり考えながら、夢中になって肉芽に吸い付き、指の抽挿を早めていく。

「あ、あ、あっ、やぁ、セッツァー、ああ……っ!」

 一際大きく身体を跳ねさせながら、嬌声を上げてリルムが高みに達したのを確認して、セッツァーはそっと指を引き抜くとリルムの腰を下ろし、愛液にまみれた唇を手の甲で拭った。呼吸をする度に上下する胸の膨らみ、秘所からとろとろと流れる蜜、セッツァーを見つめる熱のこもった瞳、もう、限界だ。

「リルム、すげーエロくて、かわいい」
「ん……っやだ、みないで……」

 柄にもない台詞を、本能が促すままにリルムに浴びせながら、まぶた、頬に口づける。下穿きを脱ぎ、とっくに限界まで膨らみきった己自身を取り出す。リルムが一瞬驚いたように目を見開いたが、気付かないふりをして自身をリルムの秘所にこすりつけた。柔らかくぬるりとした感触が気持ちいい。

「セッツァー……?」
「……挿れるぞ、いいか?」
「い、いれるって……」
「挿れなきゃできねえだろ」
「そ、そっか、そうだよね……」

 妙に納得したような顔になるリルムがおかしくて、思わず吹き出した。

「なっ、なんで笑うの!」
「いや、お前この期に及んでそれはねえだろ。おもしれえな」
「だ、だってリルムわかんないもん……セッツァーみたいにきれいな人いっぱい侍らせてたりとか、そんなことしてないもん」
「だから聞いてんだよ。きれーなだけの女に、挿れてもいいかなんていちいち聞かねえよ」

 くつくつと笑うセッツァーの笑顔が、今まで見たこともないほど楽しそうで、そんな顔で笑うんだと改めてリルムはどきりとした。
 脚の間にこすりつけられているセッツァーの雄は熱くて固くて、未知の感覚に不安がわき起こると同時に、どこか期待しているような胸の高鳴りが止まらない。

「あのな」

 セッツァーの指が、顔にかかっているリルムの髪を梳くのが心地良い。

「触れてみてわかった。俺は多分、思ってた以上にお前にやられてる」
「え……」
「触ってるのが気持ちいいなんて初めての経験だ。優しくしてやるなんて偉そうに言ったが、ぶっちゃけそんな余裕ないかもしれん。それでも、俺はお前が欲しい」
「ほ、ほしいって……」

 言葉とは裏腹に、セッツァーの瞳は熱を帯びながらも優しくて、表情は見たこともないほど妖艶だった。また、身体の奥からとろりとしたものが溢れる感覚がする。リルムも、気持ちは同じだ。あのキスの夜から。
 こくり、と息を飲み込みセッツァーの瞳をまっすぐに見る。声が震えそうになるのを何とか必死で堪える。情けないところを見せたら、また子供扱いされるかもしれない。

「セッツァー、好きだよ。子供の頃からずっと」
「……知ってる」
「だから、セッツァーが、リルムを、わたしを……大人にして」

 やっぱり恥ずかしくて、声が震えた。それでもセッツァーは嬉しそうに「ああ」と笑って、リルムを抱きしめてキスをした。
 リルムの首から提げていた二連の指輪を通してある細い鎖を、セッツァーが丁寧に外す。

「……悪いな、俺みたいなので。だが、俺が貰い受ける」
「なあに?」
「いや、何でもねえよ」

 鎖と指輪を丁寧にベッドサイドに置いて、セッツァーは改めてリルムに向き直った。脚を開かせ、もう一度指で入口をくちくちと解し、自身を押し当てる。くぷり、と先端が少しだけ飲み込まれる感触にセッツァーは息を飲んだ。

「……多分、痛てえぞ」
「う……我慢する」
「無理そうなら言え。止められる保証はないが」
「それ意味ないやつじゃん」

 妙に神妙な顔をしているセッツァーがおかしくて、くすりと笑う。

「……いいよ。リルム、止めてほしくない」
「いい度胸だ。気に入った」

 にやりと笑って、セッツァーがぐっと下半身に力を込めた。

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